外国人インタビュー

頑張る外国人インタビュー/ウェさん

両親も誇りに思ってくれている介護の仕事! いままで知らなかった日本人の生活を学べる楽しさも。

キン テッ ウェ。ミャンマー出身。東京都東村山市在住。ミャンマーにある日系ホテルでの勤務を経て、2018年12月に技能実習生として来日。クリーニング関連会社で働きながら、2021年1月、日本語能力試験(JLPT)N4に合格。2021年7月に介護分野の特定技能評価試験に合格し、22年1月からグループホームで勤務中。

日本で働く親せきの話が、来日を考えるきっかけに!

――ウェさんは、どうして日本に興味を持ったのですか?

私が高校生のときに、親せきのおばさんたちが日本で働いていて、いろいろな日本の話を聞いて「私も行きたいな」と思っていました。

日本で撮った写真もよく送ってくれて、雪が積もっている写真を見て、私の故郷は暑くて雪が降らないので「雪を見たい!」とも思いました。桜の写真もキレイで、桜も見てみたかったですね。

そして、学校卒業後に就職した日系のホテルの社長やスタッフが日本人で、滞在されていたお客さまも日本人が多かったので、日本のことを詳しく聞いているうちに、ますます「日本に行きたい!」と思うようになりました。

――日本語は、そのホテルで学んだのですか?

いえ、当時は日本語が話せませんでしたので、英語で会話をしていました。

日本に来ることが決まってから、ホテルの勤務時間を夜に変更してもらって、約6ヵ月間、朝8時から正午まで学校で勉強しました。

――お仕事をしながら朝から学校に通っていたなんて、すごいですね! 日本に来たら、やりたかったことは何ですか?

私は仏生徒なので、鎌倉に行きたかったです。

そして、2018年12月に来日して、その1週間後に行きました。いままでに、もう3回行っています。お祈りもできるので、とても好きな場所です!

両親たちも喜んでくれている“介護”という仕事

――介護の仕事をしようと思ったのは、どうしてですか?

技能実習生の期間が終わっても日本にいたかったので、「何の仕事がいいだろう」と考えていました。

介護士はひとのお世話をする仕事で、私も以前はホテルで“ひとをサポートする仕事”をしていたので、似ているところがあるなと思いました。

そして、両親や親せきのおばさんたちとも相談して、「ご高齢者のお手伝いという“良いこと”をする仕事だから一番いい」という理由で決めました。

――じゃあ、ウェさんが介護のお仕事を始めて、ご両親たちも喜んでいるんじゃないですか。

はい! ミャンマー人は「自分よりも年上のひとのお世話をするひとは偉い」と考えているので、「すごいね」「本当に良い仕事をしているね」とみんな言ってくれています。

でも、実際に働く職場を探すのは少し大変でした。技能実習生期間が終わる5ヵ月前からいろいろな登録支援機関に相談していましたが、うまくいきませんでした……。

「もう無理かな」とあきらめかけていたときにユアブライトに出会って、ユアブライトが一緒に仕事を探してくれました。そのときから、ほかの登録支援機関に頼まず、親切に対応してくれるユアブライトだけにお願いしました。いま、介護士として働けているのは、いろいろとサポートしてもらえたおかげです。

仕事を通じて、日本人の生活を深く学べる楽しさも

――いまのお仕事について教えてください。

グループホームで働いていて、ご利用者さまもスタッフもみんなが家族みたいな雰囲気です。

私はおじいさんやおばあさんたちが大好きなので、一緒にお話をしたり、歌を歌ったりするのがとても楽しくて、それがやりがいでもあります。

――楽しそうですね! ウェさんは歌が上手なんですか?

いえ、上手ではありません(笑)。皆さんと一緒に歌う曲は日本の懐メロで、私にはちょっとむずかしいのですが、「私が歌っていないと、ご利用者さまも楽しめないかな」と思うので、頑張って覚えながら歌っています。

ご利用者さまが笑顔になってくださると、私も楽しい気分になれます!

――ほかに、介護士の仕事をしていて「楽しい」「よかった」と思うことはありますか?

日本のことを詳しく知ることができて、すごく勉強になっています。

前職で働いていた3年間は、日本人の生活についてあまり知る機会がありませんでした。でも、介護の仕事を始めてからは、日本人の方が好きな食べ物や、料理の味付け、生活スタイルなどが学べるのでうれしいです。

また、コロナ禍の影響を受けずに安定して働けるので、ミャンマーにいる家族にお金を安定的に送ることができる点もよかったなと感じています。

――職場の雰囲気を教えてください。

施設のスタッフは30人くらいいて、私よりも年上の方が多いです。

皆さんやさしくて、「仕事が終わったら一緒に食事に行きましょう」などと誘ってくださいます。いまはコロナの心配もあるので、まだ行けていませんが、早く行ければいいなと楽しみにしています。

あと、いま楽しみにしているのは、ご利用者さまやスタッフの皆さんと一緒に、施設の近くの桜を見に行くことです!

日本の料理や味付けにチャレンジ中!

――オフタイムは、何をして楽しんでいますか?

コロナの感染予防のために外出を控えているので、家でミャンマー人の友だちと二人で過ごすことが多いです。

彼女も介護士なので、仕事のことを相談しあったり、ご利用者さま向けのレクリエーションのヒントをYouTubeで探したり、日本語を勉強したり、料理をつくって食べたりしています。

――どんな料理をつくるのですか?

以前はミャンマーの料理ばかりでしたが、いまは仕事で日本の料理をつくるので、家でも日本の料理を勉強しながらつくっています。

レシピなどでむずかしい漢字があるときは、勤務中にご利用者さまのお食事をつくるときに先輩からつくり方を教えてもらいながら一生懸命覚えています。

――得意な日本料理はありますか?

味噌汁です! 仕事で毎日つくるので、上手になりました。

私が一番好きな日本食は、鯖の料理です。それと、日本のかぼちゃはミャンマーのかぼちゃよりも甘いので大好きです。

ご利用者さまが「ミャンマー料理を食べてみたい」とおっしゃるので、いつかつくってあげたいと思っています。ミャンマーの料理は辛いものばかりなので、日本人の方に合う味付けを覚えている最中です。

――毎日が充実していらっしゃるようですが、いまはあまり外出できないのが残念ですね。

そうですね。でも、ご利用者さまがコロナに感染することが一番心配なので、外では遊ばないようにしています。

私は旅行が好きで、日本のいいところは、電車でどこにでも行けるところだと思っています。

介護の仕事を始める前は、鎌倉や白川郷、渋谷、スカイツリー、浅草など、いろいろなところに行きました。今年5月くらいには、富士山に行きたいなと考えています。

介護福祉士の資格を取って、日本に長く住みたい

――お料理以外に、ウェさんがいま頑張っていることを教えてください。

ご利用者さまと一緒にいろいろなことを楽しみたいので、絵を描くことや折り紙などを勉強しています。

そして、介護福祉士の資格を取りたいので、介護の仕事はもちろん、専門用語や漢字も頑張って覚えています。日本にずっと長く住むのが、私の夢です!

――頑張って、ぜひ夢を叶えてください! 最後に、日本で働いている外国人の方や、これから働きたいと考えている外国人の方たちにメッセージをお願いします。

仕事や日本語を頑張って勉強すれば、もし自分の故郷に帰ることになったとしても、地元の日本企業などで働けるチャンスが増えると思います。

また、ミャンマー人の皆さんに対しては「介護の仕事はミャンマー人に合っている」と伝えたいです。

ミャンマー人は、自分よりも年上のひとのお世話をすることが好きなひとが多いし、心が温かいひとも多いので、介護士にぴったりだと思っています。

ミャンマー人だけでなく、仕事を通じて日本語や日本の生活などを学びたいひとにも、介護の仕事をオススメしたいです!

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