特定技能・技能実習
新しくなった特定技能申請書類の新書式について解説します。
2019年4月より始まった特定技能制度について、膨大な申請書類がありルールも頻繁に更新されていたことから受け入れ実現までに時間がかかる要因の一つとなっておりました。
2021年2月19日以降の申請からは特定技能の在留資格を申請する際に使える新書式の申請書類が発表されました。今回は法人にて特定技能外国人を受け入れする際に作成をする必要のある申請書類について解説をします。
また、今回、解説をする申請書類については全て入国管理局のホームページにフォーマットがアップロードされているのでこれから申請書を作成する方はまずはフォーマットをダウンロードして申請書類の作成をしてください。注意事項として、全ての申請書類を日本語のみで作成すれば良いということでは無く、特定技能となる外国人の母国語を併記して作成する必要のある申請書類もあるため、それらについては母国語のフォーマットをダウンロードして作成をするようにしてください。
特定技能申請書等ダウンロードページ :
http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri07_00202.html
※”特定技能外国人に係る在留諸申請”より作成したい申請の種類を選択して、それぞれの必要書類確認や申請書のダウンロードができます。
在留資格認定証明書交付申請の申請書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
主に特定技能外国人の情報を記入する書類になります。現在の在留資格やこれから申請をして取得しい在留資格、その他、出身地やパスポート情報などの申請する外国人本人の情報に加え、受け入れする企業の情報なども記入をします。こちらの書類は旧書式では受け入れ企業の企業印が必要でしたが、現在は不要となりましたが受け入れ企業の方の署名が必要なページがあるため、登録支援機関が取次申請をする場合は忘れずに受け入れ企業のどなたかの署名を頂いておく必要があります。
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
こちらの書類も新書式となってからは企業印が不要となりました。特定技能となる外国人が適正な報酬を受け取ることを証明する書類になります。こちらの書類では比較対象となる日本人従業員の報酬などの情報を記入する項目があり、こちらでは特定技能外国人が日本人従業員と比べて報酬について経験年数や任されている業務などが同じであれば同じ報酬の支払いを受けることなどを証明します。
- 特定技能雇用契約書の写し
こちらは新書式となった現在でも企業印と特定技能外国人の署名が必要な書類となります。作成の際の注意点は入国管理局のホームページにアップロードされている書式は海外から外国人を呼び寄せるためのフォーマットになっているためその他の手続きの際にはフォーマットの文章を編集して使用する必要があります。
- 雇用条件書の写し
こちらの書類も特定技能雇用契約書と同様に企業印と特定技能外国人の署名が必要な書類です。特定技能外国人の雇用条件について、就労時間や休みの規定、支払われる報酬の細かな取り決めについて、それぞれの母国語も併記もして記入する書類です。こちらの書類は事前ガイダンスの際にもしっかりと特定技能外国人と確認をすることが必要な書類なので特にミスの無いように作成することが求められます。
- 賃金の支払
雇用条件書とセットで入国管理局へ提出をする書類です。取り決めた報酬の額とそこから控除される項目・金額までを記入する書類です。
- 雇用の経緯に係る説明書
特定技能外国人の受け入れに際して人材紹介やそのた特定技能になるための手続きで発生した費用について記入をする書類です。特定技能外国人が支払った費用がある場合は必ずその項目と金額を記載する必要があり、金額を支払った理由などについて特定技能外国人本人へ事前ガイダンスの際などに説明をする必要があります。新書式になってからは企業印が不要となっており、特定技能外国人の署名だけが必要です。
- 徴収費用の説明書
特定技能外国人から給与控除する項目と金額について記載をする書類です。特に給与控除する項目がある場合には実際にかかった費用以上の控除がないことを説明する必要があります。住居の費用について給与控除をする場合には実費以上の控除ではないことについて賃貸契約書などを併せて提出する必要があります。こちらも新書式になってからは企業印が不要です。
- 受診者の申告書
こちらの書類は結果を提出する健康診断を受診する際に通院歴,入院歴,手術歴,投薬歴の全てを医師に申告して診断を行ったことを申告する書類です。注意事項としてこちらの書類の作成日は必ず健康診断を受診した日付より後の日付を記入する必要があります。企業印が必要なく、特定技能外国人の署名が必要な書類です。
- 1号特定技能外国人支援計画書
事前ガイダンスや生活オリエンテーションの実施状況・予定や相談対応の内容などについて記入をします。こちらの書面で特定技能外国人の相談対応が可能な日時などを記入する項目がありますが特定技能外国人の国籍によっても相談対応に必要な言語が変わってくるのでそれぞれ相談対応できる通訳の方を用意することが必要です。また、相談対応可能な通訳の方を用意する前に申請することはできませんので、申請する外国人の国籍の相談対応が可能な通訳者を事前に準備して、入国管理局へ届け出をしていることを確認した上で申請をする必要があります。
- 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書
こちらの書類は受け入れ企業が登録支援機関に支援業務の全てを委託する場合に必要な書類になります。契約期間に関しては事前ガイダンスの実施日には最低でも契約期間が開始されていることが求められ、契約期間の終了日は特定技能外国人の雇用条件書の終了日以降になっている必要があります。こちらの書類については同じ申請内容の外国人が複数人いる場合は別紙を作成して一枚でまとめることも可能です。
- 特定技能所属機関概要書
こちらの書類は旧書式からありましたが、新書式になってからは記入しなければならない内容が変わりました。注意が必要なのは直近3年度分まで遡った会社の決算状況などを記入する必要があることです。また、前年度末において債務超過(純資産の欄がマイナス)がある場合には中小企業診断士,税理士,公認会計士等の企業評価を行う能力がある公的資格をもつ第三者によって改善の見通しについて評価を得た書類を提出する必要がある点について注意が必要です。
- 公的義務履行に関する説明書
こちらの書類は今回紹介した、新書式で作成して提出する書類以外に企業が準備をする必要のある書類(決算書や納税証明書など)について、既に以前の特定技能申請の際に提出済みであり、その時から現在まで滞納などが無い場合に提出をすれば再度書類を提出する必要がなくなります。
- 今回紹介をした書類以外にも申請をする分野ごとに作成をして提出をする書類もありまるので、分野ごとの提出書類についても入国管理局のホームページより事前に確認をする必要があります。
在留資格変更許可申請の申請書類
在留資格変更許可申請の際に作成が必要な申請書類については上記の場合とほとんど同じですが、3.特定技能雇用契約書の写しについては入国管理局のホームぺージ上でアップロードされているフォーマットをそのまま使用することはできません。文章の一部を編集して使用する必要があり、併記されている母国語に関しても同様に翻訳のし直しが必要です。
在留期間更新許可申請の申請書類
在留期間更新許可申請の際に作成が必要な申請書類については上記で紹介された書類に全て含まれています。
まとめ
特定技能外国人を雇用する際に必要な書類について、初めの申請の際には多くの書類を提出する必要がありますが、同じ特定技能外国人について2回目以降の申請では書類の数が大幅に減るため、1回目の申請の際にはしっかりと準備をして余裕をもって申請手続きをしてください。また、1回目の申請の際に提出した情報も控えをとり、2回目以降の申請の際にも内容に齟齬が無いように気を付けて申請を行う必要があります。