外国人受入れ・教育
外国人が日本で免許の切り替えをして取得する方法について解説します。
特定技能制度が2019年より施行され、技能実習を3年間以上修了した外国人が新たに5年間日本にて就労することが可能となりました。
今後は日本国内にて自動車やバイクの免許を取得することを検討する外国人も増えていくことが予想されます。
そんな中で、今回は海外で取得している免許を切り替えする際の手続きについて解説します。
目次
海外の自動車免許を切り替えが可能な条件
切り替えが可能な条件は下記の2点のみです。
〇外国免許を取得後にその国にて通算で3カ月以上滞在していたこと。
・外国免許の発給機関(外国行政庁)が発給する免許取得年月日、更新記録等の運転免許記録(経歴)証明書
・当該外国免許証の更新前の旧免許証
・外国行政庁が発給した外国免許証の内容に関する証明書など
・外国の出入国証明書等
〇外国免許がその国で有効な免許であること。
免許切り替えの際の必要書類
〇外国免許証
〇外国免許証の翻訳文
翻訳文が有効となる翻訳機関
・免許証を発給した外国の行政庁又は当該外国の領事機関
・国家公安委員会が認めた外国の法人など
・国家公安委員会が指定した法人
〇パスポート
〇在留カード
〇住民票
〇写真 (3cm×2.4cm)
その他
ブラジル人の場合
運転免許証の更新記録証明書
フィリピン人の場合
公用領収書兼暫定免許証
オーストラリア・サウジアラビアの場合
免許取得日が免許証に記載されていない場合、経歴証明書
香港
IDカード
そのほかの国
場合により運転免許の経歴証明書等や当該国の身分証明書が必要になる場合があります。
手続きの流れ
書類審査→適性検査→知識確認→実技確認→合格・免許交付
書類審査
提出する必要のある書類について窓口で確認をされます。
適性検査
視力などの自動車を運転する上での必要最低限の検査を実施します。
具体的には一般の自動車免許取得・更新時と同じく視力テスト、色彩識別能力テストが行われます。
知識確認
問題10問中7問以上の正解で支障なしと判断し、技能の確認へと進めます。
知識の確認で支障ありと判断された場合で、再度知識の確認を受ける場合は、その都度受験手数料が必要です。
知識確認といっても10問の○×のテストをコンピューター上で行うだけです。
基本的な日本の交通に関する知識があれば合格ができるレベルのテストになります。日本語だけでなく各国の国の言葉で受験することができ、ベトナム語での受験も可能となっています。
下記は知識確認の際に出題される問題例の一部です。
Q交差点を右折しようとするときは、対向車を直進する二輪車が見えにくくなることがあるので十分注意が必要です。
正解 : 〇
対向車のすぐ後ろを二輪車が走行してある場合などは、車の陰で見えにくくなることがあるので特に右折するときは注意が必要です。
Q左折するときは、自転車やバイクを巻き込むときがあるので直前に確認しなければならない。
正解 : 〇
自車の左後方の死角部分を二輪車や原動機付自転車が走行している場合があり、左折時に巻き込んで交通事故を起こすことがあります。左折直前に左後方(死角部分)を確認することが必要です。
Q家でお酒を飲んだが、少しだったので車を運転して買い物に行った。
正解 : 〇
酒気を帯びているときや麻薬、覚せい剤、シンナーなどの影響を受けているときは、車を運転してはならない。また、お酒を飲んだのが前夜であっても翌朝の運転時までお酒の影響がある場合も同じです。
Q横断歩道のない交差点の近くを歩行者が渡りかけていたのでクラクションを鳴らし注意をしてそのまま通過した。
正解 : 〇
横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断しているときは、その通行を妨げてはならない。
参考サイト : https://jdl.asia/ja/special/effect-measurement-problems/
実技確認
知識確認に合格した後に、多くの場合は後日予約をとり、その日に実技試験が行われます。混雑している時期だと知識確認に合格してから実技試験の予約をとるまでに1カ月以上かかる場合もあるようなので時間に余裕をもって出勤する必要があります。技能確認は指定された日に、場内コースにおいて実施いたします。試験場内のコースを使用し、免許の種類ごとに定められたコースを走行し、100ポイント中70ポイント以上で支障なしと判断されます。
知識確認・実技確認免除国
下記の国籍の外国人に関しては知識確認と実技確認が免除されますが、特定技能外国人の出身国はほとんど入っておりません。
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(オハイオ州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
原付バイク免許を切り替え取得する手続き
海外の自動車免許を日本の免許へ切り替えするための手続きを紹介しましたが、まずは原付バイクの免許を切り替えたいという外国人も多いと思います。
書類審査→適性検査→知識確認→合格・免許交付
上記が原付バイク免許切り替えのための手続きになります。
原付バイクの切り替え手続きであれば、場所にもよりますが、一日で免許取得まですることができる可能性もあり、実技試験もないため、とても簡単です。
特に自動車免許が母国でもっていなくて、日本で取得するのも手間や費用がかかるために原付バイクの免許を取得している外国人が多いです。
ある程度の都心部に住んでいる外国人なら良いですが、地方の農業を経営している受入れ企業などで就労する外国人にとっては、最寄りのスーパーなどで買い物をする際にも距離がある場合が多く自転車では厳しいため、企業が移動用の原付バイクを用意してくれる場合もあるようです。
技能実習生・特定技能外国人の免許取得事例
技能実習生
技能実習生ではすでに紹介したように農家で技能実習を行っていて生活をする上で必要なために免許を取得する場合もあれば、建設現場などで技能実習を行っており、現場移動のために免許を取得する場合もあるようです。
注意が必要なのは技能実習生は日本語も話せない場合が多く、事故を起こした場合でも賠償などをする金銭的な余裕もない場合が多いため、監理団体である組合や受入れ企業の側もある程度のリスクを承知の上で免許を取らせる必要があります。
特定技能外国人
特定技能外国人についてはほとんどの場合、既に日本で3年間以上就労経験のある人材が多く、日本語能力もある程度は話せる人材が多いですが、事故の際の対応を自身でできるレベルの日本語能力は持ち合わせていない場合が多いです。
今後は特定技能外国人として技能実習と合わせて10年間以上、日本で就労することが可能であり、建設・造船分野に限れば、無期限での就労や家族帯同も可能となるため、生活をする上で自動車免許の取得も必要になると思われます。
まとめ
今回は自動車免許の切り替え手続きについて解説をしました。
特定技能制度が始まり、今後は多くの外国人が母国で取得している免許を日本で切り替え手続きすることを希望すると思われます。
試験が免除になる国や、手続きをする免許センターによってもルールがことなることがあるため、手続きの前には一度確認をすることをおすすめします。