2021年5月現在、ネパール国内では新型コロナウイルスの感染者が急増しています。感染者の多い州はロックダウン実施、カトマンズ盆地内では外出禁止令が発令されています。特に隣国インドの感染拡大の影響が大きく、ネパール全土への感染が警戒されています。

現在のネパール国内状況

感染状況

2021年3月までの陽性者数は1日100件前後。4月以降18日には1日1000件以上と上昇、29日には新規感染者4000人超え。公衆衛生の専門家はインド変異株がネパールへ感染拡大してくることを懸念。若年層の感染に対しても警戒するようにとのこと。

外出禁止令→ 4/29~5/13 カトマンズ、バクタプル、ラリトプルの地区

航路・陸路の出入国について

・国際線5/5より、国内線5/3より、飛行制限が5/14までの予定
・インドとネパールの国境35か所のうち22か所が閉鎖、残り13か所は開放

ネパール出入国のための必要事項については以下の通り

外国人

・ネパール到着後10日間の検疫の義務
・出国前72時間以内に行われた陰性のPCR検査結果の提出
・滞在期間中のホテル予約の証明を提出

中国人、インド人

以下の条件で中国人・インド人に限り陸路の出入国許可あり

・ネパール到着後10日間の検疫の義務
・滞在期間中のホテル予約の証明を提出
・出国前72時間以内に行われた陰性のPCR検査結果の提出

ネパール人

・ネパール到着後10日間、ホテルまたは自宅の検疫の義務
・出国前72時間以内に行われた陰性のPCR検査結果の提出
・インドから陸路で入国の際はPCR検査免除と10日間の検疫の義務

ビザ発給一時停止

在ネパール日本大使館では、外出禁止令に伴いビザ業務を停止しています。
(外交及び公用、日本人の配偶者、急要の場合のみ例外もあり)

インドのコロナ感染拡大による影響

現在、インド国内では感染防止の水際対策として国際線を停止しています。その影響によりインド・ネパール間の国境越え、陸路を使ったネパール国内に入国して来るインド人の大移動がニュースとなっています。

渡航者であるインド人は航路でネパールへ入国しネパール国内を陸路で移動してインドへと入国できます。国境越えによるコロナ感染者の増加率は、昨年のコロナ第1波の際に問題となっており、今回も国境越えの措置に対して疑問の声も上がっていました。5/4より、ようやくネパールの国際線停止が決定となり、インド人の一連の流れはこの日より減少が期待されています。

ネパール国内のCovid-19ワクチン接種状況

インドセラムインスティテュートオブインディア製造(Covishield・ブランド名)

アストラゼネカワクチン100万回分(1月)/アストラゼネカワクチン200万回分(2月)ネパール国内にてワクチン接種が始まっています。インド国内の感染拡大に伴い、同ワクチンは現在、輸出禁止となっています。また中国Sinopharmが開発したワクチン80万回分(3月)に始まっていましたが、接種指定場所での混雑などから三密防止のため4月29日の外出禁止令より接種は一時停止となっています。

ネパールの特定技能送り出し

現在、ネパールからの特定技能送り出しの在留資格は介護・農業・外食の3分野。
法務省による特定技能の在留ネパール人人数は、介護28名、農業15名、外食51名(令和2年12月の人数)
ネパールの人材送り出しの課題について、現在も関係各所で議論が続いています。

主な内容としては、GtoG(政府間)の温度差/民間が関与するプロセスに参入する仲介業者との問題/デマンドレターの作成とこれに対する労働者の選択/市場振興のためのコストが高い/などがあげられており、二国間ではまだ課題に対する理解と選択技の変更が検討されています。

介護

特定技能の分野の中でいち早くネパール国内での募集が始まった在留資格・介護は国内でも応募者は殺到しています。現状はマッチングとなるまでの長期戦となっています。

農業

農業分野では、技能実習生による送り出しが主な在留資格となっていましたが、2019年4月より新たな在留資格・特定技能が策定され、12分野の中に農業の項目があげられることで、農業がおもな産業の中心となるネパールでは、日本の農業分野の即戦力として現地では農業分野の訓練校による人材教育が始まっています。

外食

2月と3月に外食分野の特定技能試験が首都カトマンズで実施されています。

・JFT日本語試験、首都カトマンズで行われる試験予定日は、ネパール国内の外出禁止令の終了する5/13以降、16日からの予定は公開されています。

ネパール国内のコロナ感染者の増加により、5月13日まで予定されている外出禁止令の延長も見込まれる中、ネパールから日本への人材送り出しは各所、足踏み状態が続いています。

https://www.np.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00022.html
在ネパール日本国大使館

この記事を書いた人

shyu

海外在住ライター/ネパール国籍の配偶者と日本国籍の息子と日本人の私の3人家族。カトマンズに12年暮らす。 海外に住むということは、国籍はもちろん生まれも育ちも違う者どうしが、なんらかの関係性を保ちながら生きる修行をしているようなもの。 今後、日本で暮らし働く外国人が増えて行くことが予想される中、その動向を外国人の心情に寄り添った視点で発信していきたい。

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