外国人受入れ・教育
外国人労働者受け入れの現状は?問題点や受け入れ時の注意点も
少子高齢化が急激に進む日本では、若い世代の人材の確保が難しい産業分野が多くあります。
この記事では、外国人労働者の雇用を検討している方が疑問に思うことや、雇用に際して注意すること、外国人労働者が抱える問題への対応策などを解説していきます。
目次
外国人労働者の受け入れに関する日本の現状
令和元年10月、厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」によると、日本で働く外国人労働者の数は2019年には160万人を超え、年々増加の一途を辿っています。
増加の原因としては次のようなことが挙げられます。
- 留学生や高度な技術を持つ外国人の受け入れが進んでいる
- 技能実習制度の普及にともなう外国人労働者が増加している
- 「永住者」や「日本人の配偶者」の雇用状況が改善している
- ITテクノロジーが発展にともなうエンジニアの人材不足が顕著になっている
さらに、2019年4月より新たな在留資格「特定技能」の制度が創設されました。
「特定技能」では、「特定技能1号」と「特定技能2号」どちらからの在留資格で、外国人労働者の受け入れが可能です。
今後も、企業や小規模事業者などの人材不足解消に向けて、政府はさまざまな対応を迫られることになるでしょう。
受け入れ外国人労働者の内訳
受入れ外国人労働者について、国籍、都道府県、在留資格のそれぞれのケースで内訳を紹介します。
〇国籍別
受入れ外国人を国籍別にみると、最も多いのはベトナムの453,344 人 (外国人労働者数全体の26.2%)。次いで中国 397,084 人 (同23.0%)、フィリピン 191,083 人 (同11.1%)の順です。
出典 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)
〇 都道府県別
都道府県別の割合をみると、東京が 25.7%、愛知が 7.9%、大阪が 7.6%の順 となっています。
また、都道府県別の増加率では、栃木(前年比 16.5%)、和歌山(同 14.5%)、 山梨(同 12.0%)が多くなっています。一方で、鳥取では、-0.8%とマイナスになっていました。
出典 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)
〇 在留資格別
在留資格別にみると、「身分に基づく在留資格1」が最も多く 580,328 人で、外国人労働者数全体の 33.6%を占めています。次いで「専門的・技術的分野の在留資格 2」が 394,509 人(同 22.8%)、「技能実習」が 351,788 人(同 20.4%)の順でした。
出典 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)
外国人労働者問題とは?問題が生じやすい原因も
技能実習生や特定技能の資格で在留する外国人労働者の増加に伴い、受け入れる側の問題なども生じるようになりました。
ここでは、外国人労働者の受け入れを検討している企業の皆さまに事前に知っていただきたい問題点や、その原因と対策を解説していきます。
外国人労働者問題とは
企業にとって頼もしい存在の外国人労働者。しかし、雇用時の賃金や労働時間などにおいてさまざまな問題が指摘されています。受け入れ側の企業として、正しい知識を持ち、事前準備を行う必要があります。
外国人労働者に生じやすい問題と主な原因
厚生労働省の公表によると、技能実習生の雇用主が監督や指導を受けている原因の上位5つは安全基準、労働時間、割増賃金の支払い、賃金の支払い、就労規則でした。これらの中でも特に問題視されているのが賃金や労働時間の違反です。一部の雇用主が、技能実習生に対して、賃金を安く設定でき長時間労働してもらえるなどと誤った認識を持っていることも原因の一つです。劣悪な労働条件で働く外国人労働者がいることが大きな問題となっています。
出典 厚生労働省 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、 送検等の状況(令和2年)
企業が外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット
企業にとって人材は宝であり、人材不足が続くと事業の存続も危ぶまれることになりかねません。
日本が直面する若い世代の人材不足は、今や外国人労働者の受け入れによって解消するしかないという現実もあります。
ここでは、外国人労働者の採用を検討するにあたり、知っておきたいメリットとデメリットをご紹介します。
外国人労働者を受け入れるメリット
外国人労働者を受け入れることで次のようなメリットがあります。
- 若い世代の働き手を確保できる
- 社内のグローバル化が進む
- 新しいアイデアが生まれ、社内活性化にも貢献する
- 市場開拓や海外への進出の手がかりになる
外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットについては「外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットは?事前に知るべき注意点も」の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
外国人労働者を受け入れるデメリット
外国人労働者の受け入れには、次のようなデメリットもあります。
- 職場での意思の疎通が難しい
- 文化の違いからすれ違いが起こることがある
- 採用手続きの工程に時間がかかる
- 受け入れ時のサポートや研修にも時間と経費がかかる
外国人労働者を受け入れる際の注意点
外国人労働者を受け入れる際に注意するべきポイントをご説明します。
受け入れたい外国人の在留資格の要件などの確認
外国人労働者の受け入れを検討する際、最も重要なのは在留資格の要件を確認することです。要件が合わなければ、受け入れできません。
エンジニアや技能実習生、特定技能など、受け入れに必要な在留資格の要件に該当するのかを事前に確認しておきましょう。
雇用契約書などに明確に労働条件を明示
採用決定後に作成する雇用契約書は、外国人労働者が理解できる言語(母国語など)で作成しなくてはなりません。
また、雇用契約時には、昇給や評価制度、労働時間、休憩などの細かな条件も必ず双方で確認しましょう。
労働基準法などに抵触すると、今後一切外国人労働者の受け入れができなくなる可能性があるため注意してください。
受け入れ後のサポート体制をあらかじめ準備
採用が決まり外国人労働者の勤務が始まる前に、受け入れ後のサポート体制を整えることが重要です。
外国人労働者は住み慣れた土地を離れ、不安と孤独感でいっぱいです。せっかく経費と時間をかけて採用してもすぐに本国に帰ってしまうケースもあります。
日本での勤務と日常生活に慣れるまでは、十分なサポート体制を整えておきましょう。
特定技能人材の採用は、ユアブライトにご相談ください
外国人労働者の受け入れに必要な情報やメリット・デメリットなどを説明しました。
デメリット以上にメリットが多いのが、外国人労働者の受け入れです。特定技能外国人の受け入れを検討している企業様は、ぜひ弊社ユアブライトにご相談ください。
「特定技能制度を詳しく知りたい」「一度相談だけでもしてみたい」などのご要望にも丁寧に対応いたします。