特定技能・技能実習
2021年10月現在、コロナ下にて技能実習生を修了した外国人が取ることのできる選択肢について紹介します。
2021年10月現在、技能実習生の新規入国が実現しておらず、その一方で多くの技能実習生が3年間以上の技能実習を修了してもなお帰国することができずに国内に留まっております。
そんな外国人が現在とることのできる選択肢について紹介します。
➀特定活動ビザを活用する
現在、コロナ下の状況において特定活動ビザにて技能実習を修了した外国人を救済する状況が続いており、特定活動の種類も多くの選択肢ができ、且つ、適応することのできる幅も広がっております。
今回は現在も活用可能な特定活動ビザについて紹介します。
➀技能実習中と同じ職種にて就労を継続する場合
多くの技能実習修了者が該当すると思われるのがこの特定活動です。主に技能実習を行っていた企業にてそのまま継続して就労をする場合が想定されます。同じ職種であれば技能実習を行っていた企業とは別の企業や別の監理団体の管轄へ移籍することも可能です。
あくまで技能実習生の延長という解釈のビザなので監理団体が監理監督責任を持つ必要があるため、登録支援機関の名前でこの特定活動ビザを申請することはできません。
また許可される最長の期間は6月となります。
必要書類
1.在留資格変更許可申請書又は在留期間更新許可申請書
2.帰国が困難であることについての合理的な理由書
3.監理団体または実習中の受入れ企業が作成した理由書
その他、監理団体や就労する企業が変更となる場合は別途提出資料が必要です。
②技能実習中とは違う職種にて就労を継続する場合
コロナの状況が長期間に及んでいる現在、2020年8月12日より技能実習中とは別の職種にて就労をすることが可能となりました。正し、技能実習中の職種と関連する職種でのみ就労することができることについて注意が必要です。
必要書類
1.在留資格変更許可申請書又は在留期間更新許可申請書
2.帰国が困難であることについての合理的な理由書
3.監理団体または実習中の受入れ企業が作成した理由書
その他、監理団体や就労する企業が変更となる場合は別途提出資料が必要です。
➂就労せずに日本で滞在を継続する場合
技能実習を修了した外国人全てが特定活動ビザへ切り替えをして就労を継続することができるわけではなく、技能実習中に就労していた企業の経営状況が悪化して無職となった場合や技能実習修了後に就労継続できなかった外国人が取得する特定活動ビザです。
2020年12月1日以降はこの特定活動ビザを申し込んでいる外国人について、資格外活動も同時に申請することで週28時間までのアルバイトが可能となりました。
必要書類
1.在留資格変更許可申請書又は在留期間更新許可申請書
2.帰国が困難であることについての合理的な理由書
3.日本での滞在費用を工面する方法に関する資料
4.資格外活動許可申請書 (アルバイトを希望する場合)
④特定技能への移行手続きが間に合わない場合
特定技能へ移行することを希望しており、外国人本人も特定技能へ移行する資格を有している(特定技能になる為の試験に合格している又は技能実習をしていた職種と同じ職種にて特定技能の申請をする)場合に申請することができる特定活動ビザです。
注意事項として、あくまで申請手続きが在留期間中に間に合わない外国人を対象としているビザであるため、たとえば就労することのできない特定活動を有しており、その在留期限がまだ多く残っている場合はこの特定活動へ切り替えることは認められない場合があります。同じ特定活動ですが、就労することのできない特定活動から特定技能への移行手続きが間に合わない外国人のための特定活動へ切り替えることで、特定技能として就労する予定の企業にてフルタイムの正社員として特定技能になる前も就労をすることができます。注意としてこの特定活動で与えられる最大の期間は4月でこの期間は特定技能で就労可能な最大の期間(5年)の中に含まれます。
また製造業など協議会への加入が特定技能の申請前に必要となる特定技能の分野で協議会への加入審査に数カ月の期間がかかる場合は特定活動4月の更新も認められる場合があります。
⑤特定技能への移行を前提として技術習得をしながら別職種にて就労する場合
この特定活動ビザは日本にいる外国人の雇用を維持することを目的として用意されており、特定技能への移行を前提として、企業にて就労をしながら1年間で特定技能となるための試験にも合格して特定技能へと移行することを前提とした特定活動ビザです。
注意する点として技能実習を修了等した外国人がこの特定活動ビザを使う場合、帰国費用については外国人本人負担が原則となり、本人がその帰国費用を負担することができない場合は,本措置で外国人を受け入れる機関が負担することになる点について注意が必要です。
また、この特定活動の取得を希望している外国人で自身で就労先を見つけることが困難な場合はマッチングサービスを利用することもできます。
マッチングサービスの利用を希望する外国人は出入国在留管理庁に対して「個人情報の取扱いに関する同意書」を提出することで、希望する特定産業分野の企業などにて再就職のための支援を受けることができます。たとえば、出入国在留管理庁で「個人情報の取扱いに関する同意書」に記載された外国人の情報を関係省庁や都道府県等の関係機関に提供することで希望する特定産業分野の中で、求人中かつ採用の意思がある企業などがあった場合には当該企業、職業紹介機関などから当該同意書に記載された連絡先へ連絡が入り、再就職が実現する可能性があります。
②技能実習を継続する
技能実習2号を修了した外国人については3号技能実習を継続するという選択肢もあります。現在はコロナの影響により入国するはずであった外国人が入国できないためにもともとは3号技能実習を行う予定でなかった企業も人員補填のために3号技能実習を行う場合もあります。あとは特定技能に関しては製造業では特定技能協議会へ必ずしも加入することができないなどの理由で技能実習を受入れしている企業が必ず特定技能の受入れも可能とは限りません。
そのため特定技能受入れができない企業などは3号技能実習を受入れする可能性も高いです。
➂特定技能へ移行する
コロナ下にて特定技能へ移行する外国人の数が大幅に増えています。特定技能へ移行するための条件として技能実習を2年10カ月以上終えている又は専門級に合格していれば特定技能の技能・日本語試験などに合格しなくても特定技能となることができるために、こちらも入国ができない外国人の補填として国内にいる技能実習を修了した外国人を特定技能として雇用する企業が増えています。
また、コロナ下での新たな動きとして、他社で技能実習生として就労していた外国人を特定技能外国人として招くパターンも増えました。
まとめ
今回はコロナ下で技能実習を修了した外国人が選ぶことのできる選択肢について紹介しました。
特定活動を含めて多くの選択肢が用意されているので外国人の希望・企業の希望に合わせて最善のビザを選択する必要があります。