外国人の在留資格申請を代理で行うために必要な申請等取次者とは?特定技能外国人の代わりに在留資格申請をするために必要な資格について解説します。特定技能外国人を受け入れするためには、さまざまな手続きが必要となります。

また、国籍によっては大使館への手続きが必要であるなど、それぞれ受け入れをする国籍によってもルールが違うため、申請手続きの際には確認が必要です。今回は必ず必要になる入国管理局への在留資格申請を本人の代わりに取り次ぐことができる申請等取次者について解説します。

申請等取次者とは

申請等取次者とは在留資格の申請を本人に代わって取り次ぐことが認められた人のことです。例えば、特定技能外国人の受け入れした場合、通常は1年ごとに在留資格の更新が必要で、本人が入国管理局へ申請書類などを持って申請を行わなければなりません。また、申請してから数カ月後ぐらいで”新しい在留カードを取りに来てください”という知らせのはがきが届くのでその際にも本人が入国管理局へ出向いて新しい在留カードの受け取りが必要になります。もちろん、入国管理局の営業時間が平日のみのであるので、有給などを取得して会社を休み最低年に2回は入国管理局へ行くことになります。その一方で、申請等取次者が代わりに申請の取り次ぎをする場合は申請書類と本人のパスポート・在留カードを入国管理局へ持参すれば本人が入国管理局へ行かなくても申請手続きを完結することができます。この場合、新しい在留カード受け取り可能の知らせも申請等取次者が指定した住所へ来ることになります。特定技能の在留資格を取り次ぎする場合であれば、登録支援機関の職員や受け入れ企業の職員の方がこの資格を取得する必要があると想定されます。

申請等取次者になるには

出入国在留管理行政に関する研修会などへの参加やその経歴に照らし,外国人の入国・在留手続に関する知識を有しているとされているものが申請等取次者になることができます。

特定技能外国人の申請をする申請等取次者には弁護士・行政書士や登録支援機関・受け入れ企業の職員がなることがでるとされており、基本的には申請等取次者になるには入管協会という機関が不定期で開催している、申請等取次研修会に参加する必要があります。こちらの研修会は全国各地で開催されており応募者の募集開始がされてから数日で定員に達することも多いため開催日については入管協会のホームページを常に確認する必要があります。申請等取次研修会は平日のみ開催されており、ほとんど一日出席する必要がある研修会です。特にテストなどは無いため、研修会に参加して、最後に渡される研修会修了書を受け取りこちらで申請等取次者になる資格が得られます。研修会修了書についてはもし、登録支援機関や受け入れ企業を退職して別の機関へ転職し、転職先でも外国人の在留資格申請を取り次ぐ場合には再度、研修会を受け直す必要は無く既に取得している研修会修了書を使用して申請等取次者になることができます。申請等取次者に交付される申請等取次者証明書は受け入れ企業又は登録支援機関にて在籍・管理している特定技能外国人の在留資格申請のみを取り扱うことができるため、申請等取次者が退職をした場合には証明書の返却をしなければなりません。

入管協会とは

入管協会とは出入国管理のセミナーを開催したりすでに紹介をした申請等取次研修会の開催もしている機関です。賛助会員や特別賛助会員の募集も行っており、入会金や年会費がありますが、会員となると申請等取次研修会への応募を一般の方より優先的に応募でき、割引価格での参加が可能になります。また定期刊行誌を受け取れ、有料ではありますが申請書類の事前点検や申請取次のサービスを受けることができます。こちらのサービスは例えば特定技能外国人の在留資格申請の申請書類を登録支援機関や受け入れ企業で作成して、申請書全ての確認や入国管理局への取次業務を代わりに行ってくれるサービスです。有料にはなりますが、初めて特定技能の申請書類を作成した場合や入国管理局へ行く手間を省きたい場合には使う価値のあるサービスです。特に申請をする入国管理局によっては申請や新しい在留カード受け取りの際に数時間の待ち時間が発生する場合もあるため、時間短縮のためにこちらのサービスを利用する方も多いようです。

必要書類

申請等取次者になるために入国管理局へ提出をする必要のある書類は下記の通りです。

  1. 申請等取次申出に係る提出書類一覧・確認表

申請等取次者になるために提出が必要な書類の一覧です。申請の際にはこちらで提出書類を確認して申請書の先頭につけて提出をします。

  • 申請等取次申出書

こちらは申請等取次者になりたい方の名前や所属機関の名前を記入する書類です。

  • 承認を受けようとする者の写真

申請等取次者になりたい方の顔写真(2cm×2cm)の大きさのものが2枚必要となります。

  写真の大きさが非常に小さいため注意が必要です。こちらで提出する写真は申請等
取次者証明書という免許書と同じぐらいのカードに使用されます。特定技能外国人の在留資格申請を取り次いで申請する際と新しい在留カードの受け取りをする際にはこちらのカードの提示が必要になります。

  • 承認を受けようとする者の経歴書及び在職証明書

申請等取次者になる方は、登録支援機関または受け入れ企業に雇用されている職員である必要があります。そのため、証明のために在職証明書の提出が必要です。また、在職証明書については、申請等取次研修会に参加する際にも提示が必要となる書類です。経歴書には自身の経歴書を作成(フォーマットは決まっていない)して提出します。

  • 外国人の入国・在留手続に関する知識を有していることの疎明資料

入管協会が主催している申請等取次研修会を受講した際に受け取りをする受講証明書を提出します。こちらは原本ではなく写しを入国管理局に提出します。

  • 登記事項証明書

申請等取次者となる方が所属している機関の登記事項証明書を提出します。この際に提出する登記事項証明書は発行日から3カ月以内のものが必要となるため注意が必要です。

  • 本人確認書類

本人確認書類として、身分証明書の写しの提出が必要です。免許書や健康保険証がこれにあたり、外国人の場合は在留カードまたは特別永住者証明書の提出が必要です。

  • 返信用封筒

以前は申請等取次者の申請をする際と証明書の受け取りの合計2回、入国管理局へ訪問する必要がありましたが、現在は証明書については返信用封筒(定型封筒に宛先を明記の上,404円分の郵便切手(簡易書留用)を貼付したもの又はレターパックプラス)を提出すれば郵送にて受け取りができるようになりました。

まとめ

特定技能外国人を受け入れる際には入国管理局への在留資格申請を必ず行う必要があります。その在留資格申請については基本的には申請する外国人本人が入国管理局へ出向いて申請をする必要がありますが、ほとんどの場合は登録支援機関または受け入れ企業の職員が取次者として特定技能外国人の代わりに申請書類の作成や入国管理局への申請業務を行っています。例えば、特定技能外国人を多く雇用する予定又はしている受け入れ企業では申請等取次者が一度入国管理局へ出向くだけで全員分の申請を取り次ぐことも可能となります。また、現在のコロナ下の状況では多くの外国人が入国管理局へ申請に来ることも望まれていないため、申請等取次者の需要はますます増えて行くことが予想されます。

この記事を書いた人

ヤマシタハヤト

ユアブライト株式会社 海外人材担当 主にベトナムに関する情報を発信しております。

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