外国人雇用
ベトナム人に人気の職種とは?採用のポイントも解説
ベトナム人は、個人差はあるものの、子どものころから家業を手伝うなど、働く意欲がある人が少なくありません。最近は、より好条件の仕事を得たい、安定した仕事に就きたいなどの気持ちから、学生のうちから資格取得やアルバイトなどに精を出すベトナム人も増えています。そこで、ベトナム人はどんな職種に興味を持っているのか、採用のポイントと合わせて解説します。
目次
ベトナム人に人気の職種①:販売職・営業職
ベトナム人に人気の職種のひとつが販売職や営業職。最近はネット販売も活発になっているものの、対面の販売が主流のため一定のニーズがあります。
ベトナム人は他人と話すのが大好き
基本的にベトナム人は人懐っこく、他人と話すのが大好きです。日本人など言葉が通じない相手でも、気にせずニコニコ話しかけてきます。ベトナム人にとって、会話しながら商品をすすめたり、おすすめポイントを説明したりする販売職・営業職は、天職と言ってもいいでしょう。
とくにホーチミン出身者の能力が高い
とくにコミュニケーション能力が長けているのはホーチミンなど南部の出身者。気さくかつ強気な人が多いので、積極的に売り込めるタイプの人が目立ちます。日本人からするとヒヤヒヤするほど強気で営業をかけることもありますが、ベトナムでは珍しいことではありません。一方、ハノイなど北部出身者は、シャイですがまじめな性格のため、専門性のある商品の販売に向いているでしょう。
ベトナム人に人気の職種②:経理関係
企業に必ず設置されている経理関係のポジションは、とくに大卒のベトナム人に人気の職種です。
安定した雇用が見込める点が魅力
経理関係の仕事は、責任あるぶん安定した雇用が望めます。転職する場合も、何らかの求人は出ています。最近は、ハノイやホーチミンを中心に、経理を代行する業者が増加しています。そのため、経理の学科で知識や経験を積み、就活に供える大学生も目立ちます。
経理の能力は個人差が大きい
とはいえ、経理関係の職種に就きたいと履歴書を送ってくるベトナム人すべてが、必要な能力を有しているとは限りません。ベトナム人は基本的に大雑把な性格のため、経理の向き・不向きが明確にあらわれます。なかには、大学で経理を学んでいるものの、実務能力がまったくなく、期待外れとなるケースもあります。そのため、学歴よりも実務経験を重視して採用するほうがいいでしょう。
ベトナム人に人気の職種③:ITエンジニア
最近、若いベトナム人を中心に、人気が高まっている職種がITエンジニア。基本的な技術を磨く専門学校も増えつつあります。
政府が主導でIT人材を育成
ITエンジニアの人気が高まっている背景として、政府が主導して人材育成に取り組んでいる実情があります。ベトナム政府は、IT人材育成支援策として、100万人の育成を目標とに掲げました。そのような流れのなかで、ベトナムの大学とIT企業が連携してIT系のカリキュラムを設置する、あるいはインターンシップに取り組むケースが増えています。その結果、ITエンジニアという職種に憧れる若者が増えてきたのです。
外資系企業に就職できる点が魅力
ITエンジニアの魅力のひとつが外資系企業に勤められる可能性が高まること。ローカル企業よりもイメージがよく、給与も恵まれていることから、若者を中心に人気です。そのため、ITエンジニアとしての経験を積みながら、語学学習に取り組むベトナム人も少なからずいます。日系IT企業の進出が加速していることを受けて、学生のころから就活に供えて日本語を学んでいる人もいます。
ベトナム人に人気の職種④:技能実習生
職種というカテゴリーとはやや異なりますが、技能実習生もベトナム人が目指す雇用形態のひとつです。
日本では技能実習生の受け入れが拡大
日本では、外国人労働者の受け入れを拡大する「改正出入国管理法」が成立しました。それにより、技能実習生として日本で働くことを目標とするベトナム人も増加の一途をたどっています。「送り出し機関」と呼ばれる機関で日本語やマナーなどを学び、受け入れ先が見つかれば、3年のあいだ日本で働けます。
働く目的に個人差があるのが特徴
技能実習生のなかには、ベトナムで大手企業に就職する、自ら起業するなど、大きな夢を持っている人もいれば、単なる仕送りの手段と捉えている人もいます。就業意識が高いベトナム人を雇用したいなら、日本語能力検定は少なくともN3以上を目安にすること。入管を突破するための日本語能力だけのベトナム人は、会社にとって戦力となりづらいかもしれません。
まとめ
ベトナム人は、やりがいよりも、給与の良さや安定性を基準に、目指す職業を決める傾向があります。そのため、勢いがある外資系企業の業種によって、人気の職種が変わってきます。ベトナムでも、大学に加えて専門学校など、専門的な技能を養える場が増えてきました。しかしながら、経済的な事情からベトナムで専門性を高められなかったベトナム人もいます。そこで、多少能力的に不十分だと思っても、意欲を買って雇用する姿勢を持つことも大切です。