ベトナムに関連する仕事をしていると、現地に一定期間滞在する機会が出てくると思います。日本とは物価が異なるため、どのくらいの生活費を目安に滞在準備すればいいのか、迷ってしまうことも多いでしょう。実は、ベトナムに滞在する際、どのようなお店や交通手段を利用するのかにより生活費がかなり変わってきます。

ベトナムの1か月の生活費①:通貨

初めてベトナムに行った人のほとんどは、ベトナムの通貨のゼロの多さに驚くと思います。両替後に大量の札束を受け取ると、大金を手にしている気分になり、支出の基準が狂ってしまうことはよく聞く話です。

ベトナムに流通している通貨は12種類

ベトナムの通貨はドン(Dong)。かつては硬貨が使われていましたが、現在は紙幣のみです。紙幣の種類は100ドン、200ドン、500ドン、1,000ドン、2,000ドン、5,000ドン、10,000ドン、200,000ドン、50,000ドン、100,000ドン、200,000ドン、500,000ドンの計12種類。100ドンや200ドンは大手スーパーのおつりで渡されることはありますが、ほとんどは端数切捨てとなります。

ベトナムの通貨の計算方法

ベトナムの為替レートは多少の前後はあるものの、1ドン0.0050 円が目安。そこで、日本円に換算するときは、ゼロを2つとって2で割るという方法が鉄板です。例えば12,000ドンのお菓子を買う場合、12,000からゼロを2つとって120、それを2で割って60円という計算です。560,000ドンの洋服を買うときは、ゼロを2つとって5,600、2で割って1800円という具合です。ベトナムの通貨はゼロが多いため、簡易化して12,000ドンを12Kとあらわすこともありますが計算方法は同じです。

ベトナムの1か月の生活費②:食費

ベトナムの生活費のなかでも、どれだけかかるのか気になるのが食費でしょう。ベトナムの食費は、現地に馴染めれば馴染めるほど安く済ませられます。観光地や外国人居住エリアが活動拠点の人は、食費はそれなりにかさんでしまうでしょう。

食費を安く済ますなら大衆食堂

ベトナムには、都市部であっても郊外であっても、至るところに大衆食堂があります。また、朝や夜の限定で屋台も出現します。これらが提供している料理はとても安く美味。50,000ドン=250円以内で美味しいブン、フォー、そのたのベトナム料理をたっぷり楽しめます。一方、ショッピングモールや観光地、外国人居住エリアにある、ベトナム富裕層や外国人向けの飲食店を利用すると、1回の食事で1人500,000ドン=2,500円、もしくはそれ以上かかることも少なくありません。

輸入食材は割高なので注意

自炊をする場合、食材の調達はスーパー、コンビニ、個人商店、路上の売り子が中心となります。大手のスーパーやコンビニはやや高めの価格設定ですが、現地の食材であれば安く手に入ります。個人商店や路上の売り子が扱っている食材は基本的に安価ですが、お客さんを見て価格を変えます。とくに日本人は、暗黙の「外国人価格」が適応されるため、割高になる傾向があります。現地に溶け込んだ服装をし、お店の人と顔なじみになることで、現地価格で買えるようになります。

ベトナムの1か月の生活費③:交通手段

ベトナムで市内を移動するとき、電車や地下鉄が利用できるエリアは限られています。そのため基本的に、バス、タクシー、バイクが主なベトナムの移動手段となります。

もっとも割安なのはバスの利用

ベトナムでもっとも安価な公共交通機関はバスです。市内には網の目のようにバスの路線が張り巡らされており、主要なところには簡単に出れるようになっています。バスの間隔は、15分おき、30分おき、1時間おきなどさまざまですが、タイムスケジュールはかなりルーズです。運賃は7,000ドンから12,000ドンあたりが目安。バススタッフに運賃を渡すとおつりと切符を渡されます。昼夜共に高速バスも発達しており、飛行機よりも安価な値段で、ハノイからホーチミンを移動することも可能です。

グラブはアプリを使って予約

ベトナム市内を移動するときに欠かせないバスですが、車体の多くは古く快適とは言えません。また、時間通りに来ないことが前提のため、時間を有効に使うことは難しいです。そこで便利なのがアプリを使ってバイクや車を呼ぶこと。ベトナムでは、マレーシアを拠点とする配車サービス「グラブ」が浸透しており、アプリをダウンロードすると簡単に車やバイクを手配できます。予約時に運賃が確定するため、ぼったくりは基本ありませんが、稼働しているドライバーの数、時間帯、シーズンによって運賃は変動します。旧正月や通勤ラッシュ、国民的なイベントがある日は運賃が上昇します。平均的には、短距離なら2万ドンから、遠距離なら10万ドン前後が目安となります。

まとめ

ベトナムで生活費を安く済ませたいなら、できるだけ地元の商店で食材を調達し、外食は小規模な食堂や屋台を利用すること。「外国人価格」で売られていると思ったら、こまめに値段交渉をしましょう。安易にタクシーを使わず、バスやバイクを利用するようにすれば、交通費も抑えることができます。それにより、家賃や保険などを除くと、生活費は高くても3万円程度に収めることが可能です。

この記事を書いた人

ひこすけ

大学にて10年間勤務したのち、ベトナム現地企業にて、地方中小企業の販路拡大支援に従事する。大学では留学生、ベトナムでは現地スタッフ指導経験あり。日本語教育にも関わっていました。現在はライターとして活動中。

ユアブライトのサービス紹介資料を無料ダウンロード

資料をダウンロードする