外国人労働者の日本入国状況を厚生労働省のデータから読み取りますと、2014年頃からネパール人労働者の増加率が高まっているのがわかります。
2019年4月「特定技能」改正によりネパール国内では更に日本への就職希望者が急増中です。

新型コロナウィルスによる外国人労働者の移動制限は、日本の労働力不足に大きな影響を与えています。
そこでコロナ以前から日本に在留中のネパール人留学生が、卒業後に日本での就職を希望していることを受けて、日本の労働力不足解消につながる点として関心が上がっています。
日本学生支援機構による外国人留学生の国別順位の調査では、中国、ベトナムに次いでネパール人留学生は3番目となっています。
ネパール国内からの特定技能による人材と、すでに日本に在留中で、留学ビザから特定技能に在留資格を変更予定のネパール人の動向に注目です。

ネパール人採用時の留意点

外国人労働者受け入れにおいて企業人事から聞こえてく課題は、入社後の定着率の低さです。
外国人の定着率に影響している要因としてコミュニケーションの問題と、日本の風習に合わせた採用基準によるものがあげられます。
定着率向上のカギとなる、言語サポート・社内研修・カウセリングなどに加えて
以下は、ネパール人労働者を雇用した場合の留意点について、ネパール人の特徴を踏まえた潤滑剤(じゅんかつざい)となります。

カタカナ

日本語の中でも、外国人にとって難しいのは漢字に次いでカタカナです。
ネパール国内の教育制度がイマージョン方式で行われているので、日本人に比べると英語慣れしている傾向があり、カタカナの発音は、英語の発音と混同して聞き取りが難しいと言われています。
カタカナ用語については各職場で共通の発音によるすり合わせが必要です。
例)アルツハイマー・アカウンタビリティ・ソーシャルワーカー・インフォームドコンセント・エアマット・エビデンス・ガイドヘルパー・ケアマネージャーなど他
介護業界を例にあげてみますと、多数のカタカナ用語が使われています。

多民族・多宗教の国

ネパールは50以上の多民族国家です。
ネパール国内では民族同士のコミュニケーションにおいては、民族の特徴を踏まえた上で交流をしています。
民族ごとに文化や風習、気質も異なります。

ネパール人のしぐさ

日本人は頭をタテに振る動作がYes、横に振る動作はNoですが、
ネパール人のYesは頭を横にかしげる動作をします。
日本語でのコミュニケーションが未熟な時期には、誤解を招く場合もあるので、気をつけましょう。

時間

時間にルーズなのは、ネパールに限らすアジア圏の特徴です。
時間の概念は文化によって異なり、文化人類学者のエドワード・ホールの説では、
時間の概念を大きく2つに分けています、

< Mタイム/Lタイム >
◇Mタイム monochronic time (単一的時間)の特徴
日本 ドイツ アメリカ などの文化圏
・一度にひとつのことを集中して行動する
・型どおりの行動パターンで計画性重視   
・タイム イズ マネー

◇P型タイム polychronic time(多元的時間)の特徴
ベトナム フランス 南米 アジア アラブなどの文化圏
・複数のことを同時に処理しようとする。
・スケジュールに縛られず臨機応変に行動。
・ビジネスは社交の延長  
・人間関係を重視

Pタイムにあたるネパール人に対しては、企業側としては、MタイムとPタイムを
使い分ける方針で進めることが望ましいです。

キャリア志向者のネパール人に対して

留学生から日本へ就職する場合に多くみられるキャリア志向のネパール人においては、
就職後、雇用側の採用理由とネパール人の将来のビジョンに誤差が生じることで、早期離職の問題が起こる傾向が見られます。
企業への定着率を高めるためには、雇用側とネパール人の間に将来のビジョンについてのコミュニケーションが必要となります。

ネパール、または各国の外国人労働者を雇用する場合は、異文化の違いを肯定的に
受け入れてユニークな発想で価値観を変えて行くことが必要とされています。

この記事を書いた人

ヤマシタハヤト

ユアブライト株式会社 海外人材担当 主にベトナムに関する情報を発信しております。

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