外国人受入れ・教育
特定技能外国人の面接~入社、その後の運用手続きについて解説をします。
現在、新型コロナウイルスの影響により外国人の入国ができない状況が続いており、国内にいる外国人を特定技能として雇用する受入れ企業が増えております。
また、現在では特例で特定活動というビザの発行もされており、上手に使えば数週間で入社・就労開始をすることもできます。
今回は新型コロナウイルスの影響下での特定技能外国人の面接~入社、その後の運用手続きについて解説をします。
目次
特定技能外国人の面接・採用について
日本にいる外国人を特定技能として採用したい場合、様々な方法がありますが、一番一般的なのは特定技能外国人を紹介することのできる人材紹介会社に頼んで求人をしてもらう方法です。
特定技能外国人を紹介できる会社であれば通常、その後の手続きや運用についても実施できる登録支援機関の許可を受けていることが一般的なので、特定技能外国人に関する手続きなどを含めて全てをお任せすることをお勧めします。
入社手続き
現在、新型コロナウイルスの影響もあり政府が特定活動というビザを発行しております。
このビザを使うことで通常よりも早く将来の特定技能として採用した人材を雇用開始することができます。
通常であれば面接をしてから特定技能のビザを取得して就労を開始するまで2カ月ほど、受入れ企業の分野によっては協議会加入を特定技能受入れの前にする必要があるため、さらに4カ月以上の期間を要する可能性もあります。
特定活動のビザを活用すれば、通常は数週間でビザが発行されるため、短期間で就労開始を実現することができます。
※申請をする出入国在留管理局は外国人の現住所又は企業の本社のある住所の管轄の出入国在留管理局となり、審査を担当する審査官や地域によっても審査スピードに大きな差があるため、あくまで想定期間となりますが、特定技能ビザの審査期間は数カ月かかることもあるため、特定技能ビザを申請するよりは特定活動ビザにて就労開始を目指す方が短期間で就労開始を実現することができます。
特定活動ビザを活用しての入社
下記、1・2の特定活動ビザは将来的に特定技能となる外国人が申請する可能性の高い特定活動ビザの種類です。
特定活動ビザ(12カ月)については新型コロナウイルス下でのみ発行されているビザであるため、このビザを使えば本来は雇用することのできない他業種の外国人材を雇用しながら勉強中に試験を受けさせて、合格すればさらに5年間の雇用をすることができるためおすすめのビザになります。
- 特定活動ビザ (4カ月)
特定技能として就労する受入れ企業は決まっているが、特定技能の手続きが間に合わない場合に申請します。この4カ月の期間は特定技能ビザにて日本に滞在できる5年間の期間に当てはまり、例えば特定活動ビザ(4カ月)を使った場合は特定技能ビザの残りの滞在期間は4年8カ月となります。
- 特定活動ビザ (12カ月)
特定技能として就労する受入れ企業は決まっているが、外国人本人が特定技能となるための要件(技能・日本語能力)を満たしていないため、就労をしながら特定技能ビザ申請要件を満たすための勉強するビザです。許可される12カ月の間に要件を満たして、特定技能ビザへの移行申請を目指します。
特定技能ビザを使用しての入社
通常の特定技能の外国人を雇用するための入社手続きです。
想定されるルートとしては、技能実習生を数カ月後に修了する外国人を採用して、準備期間に余裕のある段階で、特定技能ビザ申請書類の作成を行い、申請をする場合です。
順調に申請が進めば技能実習が修了する前に出入国在留管理局より、特定技能ビザ受け取り可能の連絡が届くため、技能実習が修了した翌日以降に出入国在留管理局に出向くなどの方法で特定技能のビザ受け取りをすることができます。 特定技能のビザを取得した当日から特定技能として受入れ機関にて就労をすることができます。
特定技能協議会への加入について
特定技能協議会への加入は一部製造業などの分野を除いては、最初の特定技能を雇用した4カ月以内の期間に行うことが義務となっております。
特定技能は14分野ありますが、それぞれで別の協議会が設置されており、該当する分野の協議会を確認する必要があります。
また、協議会への加入費用などはほとんどの分野にて2022年度までは無と発表されているため、製造業などの協議会への事前加入が必要な分野については将来的に特定技能外国人の雇用を考えている企業については、事前に加入をしておくこともおすすめします。
また、既に紹介した特定活動ビザにて外国人を雇用している場合はその期間は特定技能協議会への加入義務などは発生しません。
特定技能の雇用開始後の義務的な定期報告について
特定技能を雇用開始後には定期に管轄の出入国在留管理局へ特定技能制度の運用状況などについて報告書(届出書)を提出する必要があります。
報告は年に4回あり、第1四半期: 1月1日から3月31日まで 、第2四半期: 4月1日から6月30日まで、第3四半期: 7月1日から9月30日まで、第4四半期:10月1日から12月31日までのそれぞれ期間が終わって14日以内に報告書を提出する必要があります。
報告書は主に3種類あり、受入れ状況に係る届出書、活動状況に係る届出書、支援実施機関に係る届出書の3つです。
それぞれの報告書の内容については下記のとおりです。
受入れ状況に係る届出書
特定技能を雇用してから就労をした日数、就労場所、就労業務の内容。
活動状況に係る届出書
特定技能外国人へ支払った報酬額の確認、特定技能ビザ申請時に提出した報酬の比較対象となる日本人への報酬の支払い状況、受入れ企業の従業員雇用状況(離職者数、在籍者数など)、その他の労働者雇用に関する事項、特定技能を受入れする際に支払った費用や支援費用について。
支援実施状況に係る届出書
特定技能へ実施する必要のある支援についてその実施状況
※支援実施状況に係る届出書については登録支援機関へ支援委託をしている場合は受入れ企業が作成をする必要はありませんが、その他の報告書については受入れ企業が自身で作成して保管・定期に提出をする必要があります。
届出書の提出方法
窓口へ直接持参する提出方法は勿論のこと、インターネット又は郵送でも提出することができます。
注意事項としてインターネットにて提出をする場合は事前に出入国在留管理庁電子届出システムを利用してインターネットにより届出をする必要があり事前に利用者情報登録を行う必要があります。
また、郵送にて提出をする場合も、郵送先は受入れ企業の本店所在地の管轄をしている出入国在留管理局であることにも注意が必要です。
まとめ
今回は、特定技能を採用する際の手続きや雇用開始後の定期報告などについて解説をしました。
新型コロナウイルスの影響もあり、国内にいる外国人を特定技能として採用する企業が急増しており、それを後押しするような特定活動ビザも発行されております。
未だに外国人の新規入国の目途が立っていない中で、もし入国が再開されたとしても技能実習生であれば、入国後講習施設の取り合い・渡航するための航空券の取り合いになりスムーズに入国をさせることは困難だと予想されます。
そんな状況下でこそ、ぜひ特定活動ビザも利用して将来の特定技能の外国人従業員を採用の検討をすることをおススメします。