外国人インタビュー
頑張る外国人インタビュー/ヴァンさん
ご利用者さまや職場のみんなにサポートしてもらいながら、日本語と介護を勉強中です!
グエン ティ ヴァン。27歳。神奈川県在住。BAC NINH師範短期大学卒業。2017年9月に来日し、技能実習生として兵庫県の自動車部品工場に勤務。3ヶ月後、日本語能力試験(JLPT)N4に合格し、2021年1月に介護分野特定技能試験合格。現在、特別養護老人ホームに勤務。
兄から教えてもらった、日本の魅力
――ヴァンさんが日本で働きたいと思ったのはなぜですか?
22歳のとき、桜や紅葉がきれいな日本の景色をテレビで見て、「見てみたいな」と思いました。
そして、私の兄が日本で働いていて、いろいろな魅力を教えてもらっていたので「私も日本に行く!」と決めました。それから、1年ほどアルバイトをしながら日本語学校で勉強しました。
――日本に来て3ヶ月後に、日本語能力試験のN4に合格したのですね。
はい。「絶対に日本に行って、いろいろな場所に行ってみたい」と思
っていたので、日本に来る前に頑張って勉強して、来日後すぐに合格することができました。
日本に来て最初の仕事は工場での部品加工で、兄もやっていたことのある仕事だったので安心して働けました。でも、職場にベトナム人が多くて、普段はベトナム語で話していたのでなかなか日本語は上手になりませんでした(笑)。
それで、もっと日本語が上手になりたいと思って、介護の仕事に就こうと考えたのです。
――介護分野特定技能試験を受けるために、どのように勉強しましたか?
まず、日本語を上達するために、日本語を毎日話すようにしました。
そして、インターネットの介護専門の動画で勉強しながら、当時一緒に住んでいた年上の友だちが試験に合格していたので、彼女からもいろいろ教えてもらいました。
自分の祖父母のように、大切に接する
――いま働いている施設について教えてください。
神奈川県にある特別養護老人ホームです。ここを選んだ一番の理由は、弟が留学する予定の横浜に近かったからです。
最初はどんな雰囲気の施設なのかわかりませんでしたが、実際に働き始めて、スタッフもご利用者さまもすごくやさしいのでよかったです!
――職場環境がよさそうですね! お仕事をしていても楽しいのではないで
すか?
毎日、楽しいことがあります。ご利用者さまと一緒に話していると、日本語も勉強できてすごく楽しいです。
また、この施設で働く外国人は私が初めてなので、ご利用者のみなさんがいろいろなことを聞いてくれたり、お話ししたりしてくださいます。
そして、私のことを気にかけてくださって、休日の翌日に出勤すると「体調は大丈夫なの?」と心配してくださるのでとてもうれしいです。
――ヴァンさんのことを、自分のお孫さんのように思っていらっしゃるのかもしれませんね。
そうかもしれません。私のためにかわいいバッグを手づくりしてくださったご利用者さまもいらっしゃいます。それも、すごくうれしかったです!
私も、ご利用者さまのことを自分のおじいさんやおばあさんのように思って大切にしています。
周りの方々に助けられながら、方言なども勉強中!
――それは、とても素敵なことだと思います!
ご利用者さまが熱を出したり、近くに見当たらなくなったりするととても心配になるので、いつも気をつけています。
歩行器を普段使っているご利用者さまがいらっしゃって、
時々、歩行器を使わずに歩いていると、ほかのご利用者さまが「ヴァンさん、○○さんが立っているよ!」と教えてくださるので助かっています。
――ご利用者さまも、ヴァンさんのことをサポートしてくださっているのですね。
そうです。なので、とても感謝していますし、働きやすいです。
そして、ご利用者さまからも「ありがとう」という感謝の言葉をたくさんいただけるので、やりがいも大きくて、「もっと頑張ろう!」と思えます。
介護の仕事が大好きなので、私に子どもができたら、子どもにもいろいろ教えてあげたいと思っています。
――仕事をしていて、大変なことはありませんか?
まだ、ご利用者さまがおっしゃっていることをすべてわからないことが大変です。一般的な日本語は勉強していますが、たまに方言などがわからないときがあります。
別の言い方や簡単な言葉に変えて教えてくださいますが、もっとわかるようになりたいので頑張って勉強中です。
また、施設内でスマホを使ってもいいので、わからないことがあったらすぐにメモを取って、アプリで調べるようにしています。
――一緒に働くスタッフさんとのコミュニケーションについては、いかがですか?
スタッフのみんなもいいひとばかりなので安心して働けているのですが、私がまだ日本語を勉強中で、みなさんはベトナム語をわからないので、時間がかかることもあります。
でも、会社で新しいアプリを導入してくれる予定なので、これからはもっとコミュニケーションが取りやすくなると思います。
いままでは毎日の介護記録などを日本語で紙に書いていましたが、アプリを使うと「ベトナム語で入力すると、日本語に翻訳される」ということができるようになります。その逆もできて、便利なので楽しみにしています。
ベトナムのケーキをつくって、みなさんとオヤツを
――お仕事以外で、日本で暮らしていて「楽しい!」と思うことは何ですか?
スーパーに行くのが大好きで、いろいろなものが売っていて本当に楽しいです!
私はケーキが好きで、よく休みの日につくるのですが、その材料を買いにスーパーに行きます。
パッケージが日本語で書かれているので、ほしいものを探すのに時間がかかりますが楽しいです。
――自分でつくったケーキを職場に持っていくこともあるのですか?
はい。ベトナムのケーキと一緒にベトナムコーヒーを持っていって、オヤツの時間にみなさんと一緒に食べることもあります。「おいしい!」と言ってくださるので、うれしいですね。
――「日本で、いろいろなところに行ってみたい」と言っていらっしゃいましたが、どんなところに行きましたか?
以前、兵庫県に住んでいたときは大阪や神戸、京都に行きました。会社の旅行で、九州に行ったこともあります。
いままで行ったなかで一番好きなのは、東京と横浜です。私は海が好きなので、特に横浜が好きです。
あと、私は日本食のなかで焼肉と牛丼が大好きなので、お休みの日にいろいろなお店へ食べに行くるのも楽しみの一つです。
――弟さんが日本に来られたら、一緒にいろいろなところに行けそうですね。
はい、長い間会えていませんし、とても楽しみです!
夢は、いつか“先生”になること
――ヴァンさんは、いまどんなことに頑張っていますか?
一番頑張っているのは、日本語の勉強です。工場で働いているときとちがって、日本語を毎日使うので、少しずつ上手になってきていると感じています。早く、日本語能力試験のN3に合格したいです。
そして、介護の勉強も頑張って、いつか介護福祉士の資格も取りたいと思います。
――その先にも、叶えたい夢はありますか?
昔から小学校の先生になりたいと思っていたので、日本語がもっと上手になったら、子どもたちに何かを教える“先生”になり
たいです。
そして、できるだけ長く日本に住みたいです。
――ヴァンさんのお話を聞いていて、すごく頑張っていることが伝わってきました。これからも頑張って、ぜひ夢を叶えてください! 最後に、日本で頑張って働いている外国人の方や、これから働きたいと考えている外国人の方に伝えたいことはありますか?
せっかく日本で働くのなら、たくさん日本語を勉強したほうがいいと思います。
日本語が上手になれば、仕事でも生活でも役に立ちますし、元気に楽しく暮らせますよ!